今年の発表会作品《ドン・キホーテより 夢の場》について、クラシック・バレエの基礎と“コール・ド・バレエ”を学ぶ〜
2025.05.21
今年の発表会で、子どもたちが踊る作品に《ドン・キホーテより 夢の場》を選びました。この作品を選んだ理由は、クラシック・バレエの基礎を正しく身につけるための要素が、ふんだんに詰まっているからです。
クラシックバレエでは、ポーズの向きひとつをとっても、すべてに明確な決まりがあります。手や足の位置はもちろん、体の角度や顔の向き、視線の方向まで細かく定められており、これらは踊りの美しさを生み出すために欠かせない大切な要素です。
そして、そのひとつひとつの決まりを全員がしっかり理解し、同じ意識で踊ることができてはじめて、ポーズが揃い、美しいコール・ド・バレエが生まれます。
「夢の場」の練習では、その基本を何度も繰り返し確認しながら取り組むことで、自然とバレエの基礎力の向上にもつながっていきます。
今回の振付では、子どもたちがはじめて「コール・ド・バレエ(群舞)」に取り組みます。
バレエでは、ソロ(ひとりで踊るバリエーション)ももちろん大切ですが、舞台の美しさを支えているのは、全体の調和と一体感を表現するコール・ド・バレエの存在です。
“コール・ド・バレエ(corps de ballet)”とは、舞台上で複数人が一糸乱れぬ動きで踊る群舞のことです。
その「一体感」が、バレエの舞台に深い美しさと品格を与えます。
舞台では、一人ひとりの踊りが「自分だけうまくできればいい」ではなく、“みんなで揃える”ことに集中する協調性や、**“相手を感じる力”**が求められます。
子どもたちにとって、この経験は、技術だけでなく心の成長にもつながるとても大切な学びになります。
振付が始まったばかりの頃は、みんな少し緊張した様子でしたが、回数を重ねるごとに自分の立ち位置や動きの役割をしっかりと理解しながら踊れるようになってきました。
ひとりひとりが、ただ動くだけでなく、**「全体の中での自分の役割」**を意識して取り組んでいる姿に、大きな成長を感じます。
とはいえ、まだまだ全員の動きがぴったりと揃うまでには、練習が必要です。
これから本番に向けて、集中力とチームワークを育てながら、より美しい“コール・ド・バレエ”を目指していきたいと思います。